デジタル営業 REPORT 0189

デジタル営業戦略:WebフォームとFAQを活用した自己解決促進と対応工数削減

WebフォームからFAQによる自己解決と顧客対応へつながるエディトリアルイラスト

メール運用は、対応者の負担を増やすばかり

現在、お問い合わせをメールで受け付けている企業は少なくありませんが、デジタル営業の観点からは、Webフォームのみでの受付を強くお勧めいたします。

その理由は、お問い合わせ受付後の分析にあります。メール運用では、分析を行うための担当者の負担が大きくなってしまうためです。

例えば、お問い合わせ内容は多岐にわたります。

ツールの操作に関するもの、価格に関するもの、クレーム、その他さまざまな問い合わせが想定されますが、メールで受け付けた場合、担当者はメール本文を確認し、それぞれのお問い合わせ内容を適切に振り分ける必要があります。

「振り分けるだけなら簡単な作業ではないか」と思われるかもしれませんが、日々の運用を考えると、担当者にとっては意外と大きな負担となります。

  • Webフォームで問い合わせを構造化し、手作業と人的ミスを減らす
  • 問い合わせ分析をFAQへ反映し、顧客の自己解決を促す
問い合わせのメール運用は経営層が考えるほど軽微ではなく効率化できる業務であることを示す構成図
メールによる問い合わせ運用には見えにくい負担がある

メール運用による問い合わせ管理のあるある話

多くの場合、メールでのお問い合わせを管理するために、Excelなどの表計算ソフトが用いられます。

具体的には、日付と件名を記載し、ステータス欄と問い合わせ区分を作成して管理する方法が一般的です。

この方法では、担当者はメールを受信するたびにExcelファイルを開き、件名などの情報を手動で転記し、問い合わせ区分を選択するという作業を繰り返す必要があります。

このような手作業による運用では、登録漏れや転記ミスなどが発生するリスクがあり、Excelへのデータ集計が正しく行われない場合、正確な問い合わせ分析を行うことが困難になります。

そこで、Webフォームを活用することで、これらの課題を解決し、より効率的で正確な問い合わせ管理と分析が可能になります。Webフォーム導入のメリットは、次のとおりです。

  • 問い合わせ内容の自動振り分け
    フォームの項目で問い合わせ内容を事前に分類することで、自動的に適切な担当者や部署に振り分けることが可能になります。
  • データ入力の正確性向上
    選択式や入力規則などを活用することで、入力ミスを減らし、正確なデータを収集できます。
  • データ集計・分析の効率化
    収集されたデータはデータベースに蓄積され、容易に集計・分析を行うことができます。手作業によるExcelへの転記作業が不要になるため、大幅な時間短縮と人的ミスの削減につながります。
  • 担当者の負担軽減
    上記の効率化により、担当者は本来の業務に集中できるようになり、業務効率の改善に貢献します。
表計算ソフトへの転記作業が積み重なり問い合わせ件数の増加で運用が破綻する流れを示す構成図
手作業の積み重ねが問い合わせ管理を圧迫する

お問い合わせを管理する2つの目的

前述のとおり、Webフォームの活用は問い合わせ管理の効率化に大きく貢献しますが、お問い合わせ管理を行う目的は主に二つあります。

本稿では、特に二つ目の目的に焦点を当ててご説明いたします。

  1. 顧客からのお問い合わせに、迅速かつ漏れなく回答すること。
  2. 問い合わせ内容を分析し、FAQの充実を図ること。その結果、顧客への迅速な対応と顧客自身の自己解決を促し、対応工数の削減を目指すこと。

お問い合わせには、ホットリード(見込み顧客)となり得るものから、情報収集程度の段階、あるいはリードにすらなり得ないものまで、さまざまな温度感のものがあります。

そのため、担当者としてはホットリードになり得るお問い合わせに絞って対応できれば効率的ですが、基本的にはすべてのお問い合わせに対して対応を行う必要があります。

企業によっては、どのようなお問い合わせでも有人対応によって案件化するという業務ポリシーを採用している場合もあるため一概には言えませんが、人が対応せずとも、問い合わせ者自身がFAQから情報を確認し自己解決できるのであれば、その方が効率的であるという考え方があります。

そのためには、いかに問い合わせ者にとって有益な情報を提供できるかが重要なポイントとなります。

迅速で漏れのない回答と問い合わせ分析によるFAQ充実というお問い合わせ管理の2つの目的を示す構成図
迅速な対応とFAQによる自己解決を両立する

WebフォームとFAQで自動対応!

そのようなFAQを準備するには、過去のお問い合わせを分析し、どのようなお問い合わせが多いのかを把握することができれば、その問題を解決するFAQを作成することが可能となります。

また、お問い合わせ者自身でFAQを探せなかった(あるいは探す気がなかった)場合でも、Webフォームで質問要件を選択してもらうことで、その選択に沿ったメールを自動返信することが可能となります。

その際には、メール本文に該当するFAQページへのリンクを含めることで、有人対応の必要性を大幅に削減できます。

このような対応の効率化を実現するためには、Webフォームの活用と、問題を解決できる質の高いFAQの準備が不可欠となります。

さらに、WebフォームとFAQを連携させることで、次のような相乗効果が期待できます。

  • 24時間365日の対応
    FAQは常にアクセス可能な状態にあるため、時間や曜日にかかわらず問い合わせ者の自己解決をサポートできます。
  • 問い合わせ件数の削減
    FAQで解決できる問い合わせが増えることで、有人対応が必要な問い合わせ件数を削減し、担当者の負担を軽減できます。
  • 顧客満足度の向上
    迅速な自己解決を促すことで、顧客の待ち時間を減らし、顧客満足度の向上につながります。
  • データ分析のさらなる活用
    Webフォームで収集したデータとFAQの利用状況を分析することで、FAQの改善点や新たなFAQ作成のヒントを得ることができます。

このように、WebフォームとFAQを組み合わせることで、問い合わせ対応の効率化、顧客満足度の向上、そして業務効率の改善という好循環を生み出すことができます。デジタル営業戦略において、WebフォームとFAQは重要な要素であり、両者を効果的に活用することで、さらなる成果を期待できます。

お問い合わせ管理ツールの導入を検討する

前述のとおり、問い合わせ対応の効率化にはWebフォームとFAQの連携が不可欠ですが、Webフォーム導入にあたっては、お問い合わせ管理ツールの導入を強くお勧めいたします。

現在、多くの企業で利用されているWordPressは、ブログ作成ツールとして広く知られていますが、標準機能としてお問い合わせフォームの作成機能も備えています。そのため、WordPressで作成したお問い合わせフォームからサポートメールに直接送信するという運用を行っているケースも少なくないでしょう。

しかし、このような運用方法では、メール運用と本質的に変わらず、担当者の工数削減や問い合わせ分析という観点からは不十分と言わざるを得ません。メールと同様に、問い合わせ内容の振り分けや集計を手作業で行う必要があり、前述した課題を解決することができません。

そこで、お問い合わせ管理に特化した専用ツールの導入をお勧めいたします。

お問い合わせ管理ツールは、Webフォームでの受付機能はもちろんのこと、問い合わせの一覧表示機能、ステータス変更機能、担当者割り当て機能など、問い合わせ管理に必要な機能が網羅されています。さらに、FAQ作成機能が標準で搭載されているツールも多く、ツールによっては、高度な問い合わせ分析機能まで比較的安価に提供されています。

お問い合わせ対応は、顧客からの問い合わせに適切に対応するという「守り」の側面が強い業務ではありますが、同時に、顧客のニーズや課題を把握し、今後の製品開発やマーケティング戦略に活かすという「攻め」のための重要な情報源にもなり得ます。

Webフォーム受付から問い合わせ分析、役に立つFAQ作成、顧客満足と業務効率化へつながる流れを示す構成図
問い合わせ分析をFAQへ反映する改善サイクル