顧客の「この営業担当者なら安心」は最強で最弱?
従来の営業活動は、営業担当者と顧客間の個人的なつながり、いわゆる「人間性受注」に大きく依存していました。製品の品質や顧客の要望を満たす機能は前提として重要ですが、最終的には顧客担当者との良好な人間関係が構築され、「この営業担当者なら安心だ」という信頼感に基づいて発注が行われるケースが多かったと言えます。
これは営業担当者の能力の一つとして評価されるべき点ではありますが、誰もが同じようにできるわけではありません。
また、顧客の担当者が交代した場合、再度人間関係を構築し直す必要が生じます。
つまり、受注という成功の再現性に不安が残るため、実は環境変化に弱い状態だと言えます。

- 可視化された営業ノウハウを、成功を再現するための型にする
- 型の上に営業担当者の個性を加え、組織の力を高める
ベースは可視化された営業ノウハウ
優れた営業担当者であっても、常に安定した売上を維持できるとは限りません。特定の担当者に売上が大きく依存する状態では、企業の安定成長は望めません。
そこで重要となるのが、営業ノウハウの可視化です。組織全体で共有可能な成功パターンを明確にすることで、属人的な売上構造から脱却し、安定的な収益基盤を築くことができます。
しかし、営業担当者は百人百様であり、個性(話し方、人柄、経験、知識など)が顧客との関係構築において重要な要素となるのも事実です。顧客は、マニュアル通りの対応ではなく、担当者個人の人間味や専門性を通して信頼感を抱くことが多いからです。
したがって、確立された営業ノウハウを基本とし、その土台の上に各営業担当者の個性を加えることで、安定した売上を上げられる強固な営業組織を構築することが可能となります。
ベース(型)の上に個性があること
重要なのは、あくまでもベース(型)の上に個性があることです。
型にはまった方法ばかりを強制していては、営業担当者の個性が発揮されず、結果としてマニュアル通りの無機質な営業活動に終始してしまい、顧客との良好な人間関係を築くことが難しくなります。
顧客との深いつながりは、画一的な対応ではなく、担当者ならではの視点や提案、共感を通して生まれるものです。
営業職の魅力が組織全体の活力
さらに、営業職の魅力の一つは、顧客の生の声に直接触れ、喜びを共有できることです。
型通りの対応では、この魅力が大きく損なわれ、営業職は単なる作業になってしまいます。
それでは、営業職を目指す人材は減少し、組織全体の活力が失われてしまいます。
そのため、明確な型(営業ノウハウ)は提供しつつも、個性を尊重し、それを最大限に活かせるような営業マネジメントが不可欠となります。型と個性のバランスを保ち、両者を効果的に融合させることで、組織全体のパフォーマンスを最大化することが重要です。

これからはリモート営業が広がる
さらに、リモート営業が一般的になった現代においては、従来の受け身の営業手法では競争に勝てません。
従来の訪問型営業では、良好な人間関係が構築されていれば、突然の訪問でも許される場合があり、他の営業担当者よりも顧客と会える機会が多くなる可能性がありました。
しかし、リモート環境では場所の制約がなくなり、移動時間を考慮する必要もありません。
これにより、どの営業担当者でも比較的容易に顧客の時間を確保し、短時間(例えば15分)のミーティングを設定することが可能になりました。
つまり、今まで人間関係に依存していた部分が、リモート環境下では平等な機会として提供されるようになったため、体系化された営業ノウハウを持つ企業が優位になります。
