営業強化 REPORT 0089

FAQは営業に役立たない

FAQを営業対話と顧客理解につなげて購買判断を支援する様子

多くの営業マネージャーは、「FAQは営業に役立たない」という認識をお持ちかもしれません。時間と労力をかけて作成したFAQが、顧客に十分に活用されていないと感じている方も少なくないでしょう。

従来のFAQは、Webサイト上で顧客からのアクセスを待つ受動的な存在と捉えられがちで、「FAQを見て購買意欲が高まった」という経験は多くありません。

しかし、FAQの捉え方を変えることで、その潜在能力を最大限に引き出し、営業活動を強力に支援するツールへと進化させることができます。

私たちは、FAQを単なる質問と回答のリストではなく、顧客の購買プロセスを積極的にサポートする「サジェストの宝庫」として活用することを提案します。

  • FAQは、顧客の購買プロセスを支える「サジェストの宝庫」になる
  • チャットボットと営業日報から、FAQの元ネタを継続的に集める

FAQを営業の武器に変える具体的な方法

以下に、FAQを営業活動に効果的に活用するための具体的な方法をご紹介します。

先回りした疑問解決による顧客体験の向上

FAQに蓄積された情報は、顧客が抱える可能性のある疑問を予測するための貴重な情報源となります。

営業担当者は、FAQの内容を事前に把握することで、顧客との対話の中で先回りして疑問を解消し、スムーズなコミュニケーションと信頼感の醸成につなげることができます。

例えば、製品の技術的な詳細に関する質問が多い場合、営業トークにその情報を織り込むことで、顧客の不安を解消し、製品への理解を深めることができます。

営業トーク後には、トークの元ネタになるFAQ記事のURLをメールで連絡します。

オンライン会議なら、その場でチャットにURLを送信し、FAQを画面共有して説明すれば、顧客から「できる営業」と評価され、その後の営業活動をスムーズに運ぶことができます。

データ分析に基づく顧客ニーズの的確な把握

FAQへのアクセス履歴や検索キーワードを分析することで、顧客がどのような情報に関心を持っているのか、どのような課題を抱えているのかを明確に把握することができます。

このデータに基づき、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされた提案が可能になります。

例えば、特定の機能に関するFAQへのアクセスが多い顧客に対しては、その機能を重点的に説明することで、より効果的な提案を行うことができます。

FAQ情報を活用した説得力のある提案の実現

FAQに記載されている情報は、製品やサービスのメリットを具体的に説明するための根拠となります。

抽象的な表現ではなく、FAQに基づいた具体的なデータや事例を用いることで、提案の説得力を大幅に高めることができます。

例えば、「耐久性が高い」と説明するだけでなく、「FAQで公開している耐久テストの結果に基づき、競合製品と比較して〇〇%優れている」と具体的に示すことで、顧客の納得感を深めることができます。

FAQを営業トークやパーソナライズ提案に活用する流れを示す図
FAQを営業トークと提案に活用する流れ

FAQの元ネタはどこから得るのか?

FAQの有効活用についてご理解いただけたかと思います。しかし、次に浮かぶ疑問は「FAQの元ネタはどこから得るのか?」ということでしょう。

FAQの元ネタは、主に以下の2つです。

  • 顧客からの問い合わせ
  • 営業日報

顧客からの問い合わせ

多くの営業マネージャーは「顧客からの問い合わせ」と聞くと、サポート用メールアドレスに送られてくるものを想像するかもしれません。しかし、「うちにはそれほど問い合わせが来ない……」と感じている場合は、前段階の準備が必要となります。

その準備は、製品を認知してもらう段階から始まります。具体的には、製品説明ページへのアクセス数を増やす必要があります。サイトへのアクセス数が増えれば、それに比例して問い合わせを受ける機会も増えます。

現状、一般的なWebフォームからの問い合わせが主流かもしれませんが、実はWebフォームは顧客にとって意外と敷居が高いものです。顧客が十分に情報を集めている段階でなければ、問い合わせには至りません。これでは、FAQの元となる問い合わせをなかなか増やすことができません。

そこで、より敷居の低い方法を導入します。それがチャットボットです。

さらに、チャットボットはフロー型にします。チャットボットが提示する選択肢からユーザーに選ばせることで、どのような質問が多いのか傾向を集計することができます。そして、欲しい情報が見つからない場合には、フリーワードでの検索を促します。

営業日報

営業日報からの情報収集に関しては、営業マネージャーから営業担当者への記載内容に関する教育が不可欠です。

日報のフォーマットは既存のものを使用して構いませんが、FAQ記事の元ネタとなる情報が非常に重要であることを営業担当者にしっかりと理解させることが重要です。

技術的な内容、使い方の説明、あるいは顧客が普段質問してこないような内容であっても、有益な情報があれば積極的に日報に書き残すよう指導してください。これにより、潜在的なニーズや課題を発掘することができます。

そして、定期的にFAQ元ネタ会議を開催してください。

この会議では、堅苦しい雰囲気ではなく、気さくな雰囲気を作り出すことを心掛けてください。リラックスした環境の方が、自由な発想や意見が出やすくなります。

会議の目的は、日報に記載された内容からFAQの元ネタになりそうなキーワードを拾い上げることです。

必ずしも完璧な文章にする必要はありません。顧客からの質問や会話の中で出てきたキーワード、顧客が抱えていた疑問点、あるいは営業担当者が気づいた点などを自由に共有し、議論する場とします。

チャットボットの利用履歴と営業日報からFAQの元ネタを集める図
チャットボットの利用履歴と営業日報からFAQの元ネタを集める流れ