コモディティ化された製品の特徴
コモディティ化された製品をEC販売する場合、顧客の認知から購入までの期間は非常に短くなります。
このプロセスは一般的に、以下の5段階に分けられます。
- 認知
- 興味
- 比較
- 購入
- 利用
マーケティング分野では、行動やファン化といった要素を含めた7段階で管理する場合もありますが、ここではEC販売に焦点を当て、5段階で説明します。
従来のBtoBやBtoBtoCの営業プロセスとの大きな違いは、対面でのやり取りが極端に少ないことです。
人的な介入はほとんどなく、見込み顧客(リード/プロスペクト)はWebサイト上の情報を自身で確認し、ECサイト上で購入を完了させます。
そのため、認知段階に重点を置いた施策が重要となります。
- 人的介入が少ないECでは、認知段階とIT活用が重要になる
- FAQとチャットボットを継続的に改善し、顧客の疑問を解消する
認知段階の具体的な施策
具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。
- リスティング広告:検索エンジンの検索結果に連動して広告を表示することで、特定のキーワードに関心を持つユーザーに効率的にリーチします。
- SNS広告(Instagram、Facebookなど):ターゲット層に合わせた広告配信を行い、視覚的な訴求力で認知度を高めます。
- ECモールへの出店(Amazon、楽天など):巨大な顧客基盤を持つECモールに出店することで、認知から購入までをモール内で完結させることが可能です。
人的介入が少ないため、製品の品質や要件適合性に関する情報は、口コミが非常に重要な役割を果たします。
購入前に他のユーザーの評価やレビューを確認することで、購入の意思決定を行う傾向が強くなります。
また、商品説明ページ(ランディングページ)にチャットボットを設置するケースも増加しています。
チャットボットを活用することで、見込み顧客からの質問に24時間体制で対応し、情報提供や疑問解消を行うことで、購入意欲を高める効果が期待できます。

営業プロセスの各段階におけるポイント
- 認知:広告やECモールへの出店などを通じて、製品の存在を知ってもらう。
- 興味:製品の特徴やメリットを伝え、関心を持ってもらう。
- 比較:他社製品との比較情報を提供し、優位性を理解してもらう。
- 購入:スムーズな購入手続きを提供し、購入を促す。
- 利用:購入後のサポートや情報提供を行い、顧客満足度を高める。
特にEC販売においては、以下の点が重要となります。
- 口コミ対策:良い口コミを増やすための施策(レビュー促進、顧客対応の向上など)を行う。
- チャットボットの活用:顧客の疑問に迅速に対応し、購買意欲を高める。
- ランディングページの最適化:製品情報、口コミ、チャットボットなどを効果的に配置し、コンバージョン率を高める。
チャットボットも営業担当者の一員
前述の通り、EC販売においては人的介入が少ないため、チャットボットが営業担当者の代替として重要な役割を担います。
チャットボット導入のメリットは、人件費と比較して圧倒的なコスト削減効果と、人的管理が不要な点です。
つまり、24時間体制で営業活動を展開することが可能になります。
ChatGPTの登場以降、AIボットに自動で回答を作成させる手法が注目を集めましたが、実際には、AIボットに適切な回答をさせるためのデータ準備や設定に大きな工数がかかります。
資料を一括インポートして生成AIにより回答させることも技術的には可能になりましたが、そのような高機能なサービスは月額50~80万円と高額であり、コストメリットを十分に享受できません。
また、高度なAIを用いても、常に意図した通りの回答を生成させることは難しく、現状では、ボットが事前に設定された質問をチャット利用者に投げかけ、選択された項目に応じて次の質問に移行する、フロー型のチャットボットが主流となっています。
フロー型のチャットボットであれば、月額5千円~8千円程度で導入できるものがほとんどであり、手軽に導入できる点が大きな魅力です。
さらに、単に順番通りに回答するだけでなく、フリーワード入力に対してFAQから適切な回答を検索し、サジェストする機能を標準搭載しているサービスも存在します。これにより、チャット利用者はよりスムーズに情報にアクセスできるようになります。
これらの状況を踏まえ、今後はFAQの充実とチャットボットの有効活用がますます重要になります。
具体的には、以下の点が重要となります。
- FAQの充実:顧客が抱える可能性のある質問を網羅的にFAQとして整備することで、チャットボットの回答精度と顧客満足度を高めます。頻繁に寄せられる質問や、複雑な質問に対しては、特に詳細な回答を用意することが重要です。
- チャットボットの機能選定:フロー型で十分なのか、フリーワード検索機能が必要なのかなど、自社のニーズに合った機能を持つチャットボットを選定します。
- チャットボットの継続的な改善:導入後もログ分析などを通じて、チャットボットの回答精度やFAQの内容を継続的に改善していくことが重要です。顧客の質問傾向の変化に合わせてFAQを更新したり、チャットボットのフローを見直したりすることで、常に最適な状態を維持することができます。
- 有人対応との連携:チャットボットだけで全ての顧客ニーズに対応することは難しいため、必要に応じて有人対応に切り替える、スムーズな連携フローを構築することも重要です。

