営業強化 REPORT 0076

営業強化 BtoBの購買プロセスに着目

BtoBの複数関係者による購買経路と営業経路が一つに整合する様子

BtoBにおける購買プロセスの特徴

BtoB(企業間取引)とBtoC(企業と消費者間の取引)では、商品やサービスが認知されてから購入に至るまでのプロセスが大きく異なります。

特に新規顧客の場合、その違いは顕著です。

ここでは、新規ユーザーを前提に、BtoBにおける購買プロセスを詳細に解説し、BtoCとの違いを明確にすることで、営業強化につながる視点を提供します。

  • BtoBでは、長期にわたる意思決定に複数の部署が関与する
  • 顧客の購買プロセスに沿って、自社の営業プロセスを設計する

長期にわたる意思決定と複数部署の関与

BtoBでは、商品やサービスを知ってから受注に至るまでのプロセスが非常に長く、半年以上かかることも珍しくありません。

これは、関係各署での確認や承認が必要となるためです。

以下に、一般的なBtoBの購買プロセスを段階的に示します。

要件定義と情報収集

まず、企業は自社の課題やニーズを明確にし、必要な製品やサービスの要件を定義します。その後、インターネット検索や業界情報などを通じて、要件に合致する製品やサービスのリストアップを行います。

製品情報の精査

リストアップされた製品について、メーカーのウェブサイトや資料から詳細な情報を収集します。この段階では、製品スペック、価格、導入事例、サポート体制など、多岐にわたる情報を比較検討し、自社の要件に合致するかどうかを判断します。

メーカー担当者とのコミュニケーション

収集した情報に基づいて、有望なメーカーの担当者と直接コンタクトを取ります。電話、メール、オンライン会議などを通じて、事前に集めた情報の補足や不明点の解消、自社の課題やニーズの詳細な説明などを行います。

サンプル・トライアルの依頼

必要に応じて、サンプル商品の提供を受けたり、ITツールであればトライアル環境の提供を依頼します。実際に製品やサービスを体験することで、導入後の効果や運用性を評価します。

社内評価と選定

サンプルやトライアルの結果を踏まえ、社内で評価を行います。複数の担当者や部門が参加し、技術的な側面、コスト面、運用面など、さまざまな角度から検討を行います。候補製品が絞られた段階で、他部門への確認や承認を依頼します。

最終選定と価格交渉

社内評価を経て、最終的な製品やサービスが選定されます。その後、価格交渉を行い、契約条件などを詰めます。

社内稟議と決裁

契約内容が確定した後、社内稟議の手続きを行います。担当者は稟議書を作成し、上長、部長、役員などの承認を得て、最終的に社長決裁に至ります。

製品検討担当者から関連部署への確認と上長・決裁者への稟議を示す図
製品検討担当者から関連部署、上長、決裁者へ進むBtoBの承認プロセス

営業プロセスにギャップがありませんか?

前述では、BtoBにおける購買プロセスを詳細に解説しました。

顧客が製品・サービスを購入するまでのプロセスを「購買プロセス」と呼びます。

この購買プロセスを深く理解することは、営業活動の成否を大きく左右します。

なぜなら、顧客の購買プロセスに沿った営業戦略を立てることで、より効率的に顧客の心をつかみ、成約率向上につなげることができるからです。

例えば、BtoB企業においては、顧客は通常、単独で購買を決めるのではなく、複数の関係者が関わる意思決定プロセスを経ます。そのため、営業担当者は、関係者一人ひとりのニーズを把握し、それぞれに合わせたアプローチを行うことが重要です。

逆に、自社の都合(自社基準)だけで営業プロセスを設計してしまうと、顧客のニーズと合致せず、せっかくの営業活動が無駄になってしまう可能性があります。

例えば、顧客がまだ製品の必要性を十分に認識していない段階で、製品の機能について長々と説明してしまうと、顧客は興味を失ってしまうかもしれません。

顧客の購買プロセスと自社の営業プロセスがずれている状態を示す図
顧客の購買プロセスと自社の営業プロセスの間に生じるギャップ

顧客の購買プロセスと自社営業プロセスの整合性

顧客の購買プロセスと自社の営業プロセスに乖離があると、さまざまな問題が発生します。

例えば、自社の営業プロセスでは受注直前の段階にあると認識していても、顧客の購買プロセスではまだ初期段階であった場合、両者の間に大きなギャップが生じます。

これは、営業担当者やマネージャーにとって、状況判断を大きく誤る要因となり、以下のような悪影響を及ぼします。

  • 無駄な営業活動の増加:受注の可能性が低い段階で、過剰なリソースを投入してしまう。
  • 見込み違いによる機会損失:受注確度の高い案件に十分な対応ができず、競合他社に奪われてしまう。
  • 正確な売上予測の困難:顧客の状況を正しく把握できていないため、売上予測の精度が低下する。
  • モチベーションの低下:見込み違いが頻発することで、営業担当者のモチベーションが低下する。

特にBtoBにおいては、購買プロセスが長期にわたるため、このギャップが顕著に現れやすく、営業戦略全体に大きな影響を与えます。

そのため、BtoBにおける営業プロセスをどのように設定するかは、企業にとって死活問題と言えるほど重要なのです。

営業マネージャーが営業プロセスを見て営業担当者へ指示する流れを示す図
営業マネージャーが営業プロセスを確認して担当者へ指示する流れ

BtoCとの違い:意思決定者と情報収集方法

上記のような複雑なプロセスを経るBtoBに対し、BtoCでは消費者が個人的なニーズに基づいて、比較的短時間で意思決定を行うことが多いです。

また、情報収集の方法も異なり、BtoCでは口コミサイトやSNSなどが重要な情報源となる一方、BtoBでは専門的な情報やメーカーからの情報が重視されます。